学校一クールなキミのお世話係になりました
「じゃあ、今夜は入院させてもらう?誰もいらっしゃらないんじゃ不便よね。
あの、お母様は?」


「先生、うち今、離婚調停中で母は妹を連れて、
家を出て行ってますから。入院とか面倒だし、帰ります」


淡々と説明する彼は眉ひとつ動かさず、自分1人でなんでも決めてしまう。


「え、そうなの、北原くん。それは大変ね」


30歳くらいのうちの担任の女性教師は同情の色を浮かべた。


「大丈夫です。ずっと1人だし。慣れてますんで


隣にいた私は、いちいちびっくりしながら彼の家庭環境を聞いていた。


1人が慣れているって、なんて寂しいことを言うんだろう。


だけど、彼にとってはしごく普通のことみたいで、平然と話していた。


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