学校一クールなキミのお世話係になりました
その時、電車の扉が開きたくさんの人が車内になだれ込んできた。
ちょうどサラリーマン達の帰る時間帯でラッシュに巻き込まれた。
彼から庇われるみたいに、壁際に移動させられる。
そして、耳元でそっと囁かれた。
「なんでも、俺の言うこときくって、言うとおりにするって約束だったろ」
「あ、うん。もちろんだよ。任せて」
ちょっとホッとして返事をした。罪滅ぼしをさせてもらえたほうが、どんなに気が楽かしれないから。
私に出来ることがあるだろうか。彼の役に立てるようなことを見つけたいな。
私は、ちょっとはりきって彼を見てニコッと笑った。
「これからよろしくな、月島杏(つきしま あん)さん」
彼が私のフルネームを知っててくれたことがちょっとだけ嬉しかった。
綺麗で、優しげな笑顔で言ってくれた北原くんは、きっと私があまり落ち込まないように、こんな提案をしてくれたんだって思った。
「こちらこそ、よろしくね。北原くん」
だから、彼はきっと誠実で暖かい人に違いないなんて感じたその時の私はかなりおめでたかったのかも。
まさか、あんなことやこんなことまで、させられることになるとは、この時は知る由もなかったのだった。
ちょうどサラリーマン達の帰る時間帯でラッシュに巻き込まれた。
彼から庇われるみたいに、壁際に移動させられる。
そして、耳元でそっと囁かれた。
「なんでも、俺の言うこときくって、言うとおりにするって約束だったろ」
「あ、うん。もちろんだよ。任せて」
ちょっとホッとして返事をした。罪滅ぼしをさせてもらえたほうが、どんなに気が楽かしれないから。
私に出来ることがあるだろうか。彼の役に立てるようなことを見つけたいな。
私は、ちょっとはりきって彼を見てニコッと笑った。
「これからよろしくな、月島杏(つきしま あん)さん」
彼が私のフルネームを知っててくれたことがちょっとだけ嬉しかった。
綺麗で、優しげな笑顔で言ってくれた北原くんは、きっと私があまり落ち込まないように、こんな提案をしてくれたんだって思った。
「こちらこそ、よろしくね。北原くん」
だから、彼はきっと誠実で暖かい人に違いないなんて感じたその時の私はかなりおめでたかったのかも。
まさか、あんなことやこんなことまで、させられることになるとは、この時は知る由もなかったのだった。