学校一クールなキミのお世話係になりました
「俺、不器用な男だから無理だ」


涼しい顔で言って左手でパンを掴んで落としそうなフリをしてみせる。


私はため息をハーって吐くけど、やっぱり断れない。


「じゃあ食べさせてあげるから、友達も一緒にランチしてもいい?」


渋々提案すると、彼はいいよと満足そうに笑う。


男の子3人のところに私が1人割って入るのは気がひけたので、せめて友達も一緒だったら気が楽かなって思ったから。


こうして育ちゃん、京ちゃんと私、北原君の友人の遠藤君と川上君と6人で一緒にランチすることになった。



「はい、あーん」


パンを食べやすい大きさにちぎってから彼の口に運ぶと、みんなの視線が集まる。


えーん、恥ずかしいよぅ。
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