学校一クールなキミのお世話係になりました
みんなの前でそのことを簡単にバラしちゃう彼にギョッとしたけど、もう抵抗するのも諦めた。


「う、言いました確かに。だって北原君に怪我させてあんなひどい迷惑をかけちゃったんだもん。申し訳ないよ、私にできることなら何でもする」


彼のほうをじっと見つめて、小さな声でごめんねと謝ると、彼は優しく微笑してくれる。


その超レアな笑顔は、女の私よりも綺麗なんじゃないかと本気で思った。


「いいよ、もう、テストのことまだ気にしてるのかよ?大丈夫だよ」


手を怪我した彼は、この前の中間テストで順位を大幅に落としてしまった。


字が書きにくかったから仕方ないとはいえ、私のせいだって思うと申し訳ない。


その時のことを思い出してしょんぼりして俯いた。


すると、彼はそっと心配そうに私を覗きこむ。


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