学校一クールなキミのお世話係になりました
うっかりときめいてしまいそうになる胸をそっと抑えながら、後ろを振り返らないようにササっと教室から出て行った。


ガラッ、ピシャン


はーっ 。なんて空気が美味しいんだろう。


男子だらけのむさくるしい教室をやっとのことで脱出すると、深いため息が出た。


ああ、だけど私ったらなんて馬鹿、また着替えを手伝う約束しちゃったよー。


「杏ーどうだったー?大丈夫?早く着替えないと間に合わなくなるよ」


「うん」


廊下で私のことを待っていてくれた京ちゃんと育ちゃんの顔を見てほっとした。


そうそう、私も体操服に着替えなくちゃいけないんだった。


彼女たち二人は私の親友でとっても優しい子たち。


意地悪な北原君とは大違いの二人に癒されたい気持ちで一杯だ。


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