学校一クールなキミのお世話係になりました
「・・・・知らない、怒ってない」


「怒ってるだろ」


確かにこの時、少し彼の言い方に腹が立っていたので、顔がこわばっていた。


どうしたんだろう、やっぱり私って変だ。


着替えを手伝わされたり、パシリにされてもこんなに腹が立ったりなんてしなかったのに。


「機嫌なおせよ、可愛い顔が台無しだぞ」


言って彼は左手で、ぎこちなく私の頬にふれてくる。


「やだちょっと、触らないで」


顔から火が出そうなくらいカーッと頭に血が上る。

恥ずかしいからなのか、怒っているからなのかわからないくらい私の思考はグシャグシャだ。


「もう、なんで、やだこんなの」


瞳の奥がグッと熱くなった。


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