学校一クールなキミのお世話係になりました
「もう、あんまり泣くなよ」


「わかんない。だって北原君が、意地悪だから。また嫌なこと言われたら泣くかもしれない」


「そんなに、脅すなって」


頭にポンと手を乗せられて、髪をグシャグシャ撫でられる。


だけど彼は包帯を巻いているほうの手で顔を隠すようにしている。


どうしたものかと戸惑っているみたいで、そんな彼を見るのが可笑しかった。


いつも上から目線でこき使ってくるくせに、私がちょっと泣いたらこんなに弱らせることができるんだ。


攻めには強いけど、守りには弱いタイプなのかな。


もう一度彼をそっと見て、目が合うと少しだけ顔が赤いような気がした。


なんだか、照れているようで不思議だった。


それを見てドキドキと高鳴ってしてしまう私の心臓も、もっと不思議だった。

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