学校一クールなキミのお世話係になりました
ちょっと人見知りって感じなのかな。どちらかというと自分からはあまり、人に話しかけていかないみたいだ。


まあ、彼のような人は自然と人が寄ってきてくれるから苦労はしないんだろうけど。


初めは、クールな雰囲気がそのずば抜けた容姿と相まってカッコいい、なんて思っちゃった時もあったけど。


慣れていくにつれ、ちょっと違うのかもって気づき始めた。


周りが作り上げた完璧なイメージよりも、ずっとわがままだし、面倒くさがりだ。


きっと探せば欠点だっていろいろありそうな普通の高校生男子なのかもしれない。


だけど、そんな彼の方がずっと身近に感じられる。


「アンコ、電車来たから、行くぞ」


「う、うん」


また自然に手を繋がれてしまうけど、振りほどきたいとは思わない。

< 84 / 303 >

この作品をシェア

pagetop