涙の裏側    ~もう一人の私~
「一応、良い方に解決しました。
………と言っても
先生達二人は、先輩先生に遠慮して別れるって言ってたけど
元のさやに納まって
先輩先生も友達に嘘ついて片思いでいる必用がなくなって
気分が穏やかになったみたいです。
私は…………
まだ許してもらってないですけどね。
それでも、こんな私を心配してくれる人がいることが分かって
嬉しいんです。」

「そっかぁ~
先ずはひと安心なんだね。」

「マスターには……ホントにお世話になりました。
昨日、ここに来てなかったら………」

そう話しを続けていたら

再びギィっと、ドアの開く音が聞こえた。

何気なく振り向くと………

独特の雰囲気を持った男の人が、入ってきた。

「よぅ、お疲れ。」

マスターの言葉に

「……………お疲れ。」と、気だるそうに答えている。

マスターが太陽なら…………この人は………月だ。

どちらも独特のオーラを感じるけれど

マスターの澄んだ、明るい光とは違い

どちらかと言えば…………………淀んだ……………………

あっ!妖艶だ!!

そう!妖艶な雰囲気のオーラを感じるんだ。

そんなことを思いながら眺めていたら

チッ!と舌打ちをされた。

はぁ?!

舌打ちって………………

イラッときて
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