つかまえた!
コンコン。

病室で話す僕達の元に

昨日とはうって変わって清楚な姿の

みぃにそっくりな女性が入って来た。

「…………………………………………お母さん。」

驚くみぃに

「ちょっとコーヒーを飲んで来る」と断って部屋を出た。

ドアを閉める瞬間

二人の泣き声が聞こえた。

これなら大丈夫。

みぃは幸せになれる。

……………………………………。

長い廊下を歩き出す。

そこには、昨日はなかった光が差し込めている。

僕達は、ここから歩み始める。

怖くて開けられなかったパンドラの箱。

鍵を持っていたのは

一番泣き虫で大切にしてきた女の子だった。

もしも唯ちゃんが背中を押さなかったら

まだこの箱は開いてなかった。

開くのに必要な物は…………

相手を思い、勇気を出すことだったのに。

結局、唯ちゃんに守られて

みぃは、幸せになっちゃった。

お土産のチョコと笑顔を持って、明日は帰ろう!
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