終わらない物語を、君に
「まだ続ける?
いくらやっても結果は同じだと思うけど」

女の口角が上がる。
いまごろはあの首筋に噛みつき、勝利の美酒に酔っているはずだったのだ。
どうしてこんなことになっている?

「ま、まだだ!」

「そう。
私はいいけど、もうお財布が空なんじゃない?」

「うっ」

すでに、手持ちの金は底をついていた。
そもそも、勝つつもりだったから、さほど持ってきていない。

「これを賭ける!」

テーブルの上に叩きつけたのは先祖伝来の指環。
それを賭けてでも勝ちたいと思うほどに、スクーナのプライドはずたずたに傷つけられていた。


配られた手札を見る。
8からQのストレートフラッシュ。
いままでで最高にいいカードだ。
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