俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
食事をすませたあとお風呂から出てリビングに行くと、ソファに座り本を読む和樹さんと目が合った。
「あ、お風呂空いたのでどうぞ」
私がそう言うと、彼はうなずいて読んでいた本を閉じた。
立ち上がりバスルームへ向かうのかなと思っていたのに、和樹さんはソファに座ったままで私に「おいで」と声をかけてきた。
どうしたんだろう。
こてんと首を傾げながら和樹さんの座るソファに近づくと、手を取られ膝の間に座らせられた。
後ろから抱きこむような態勢に、緊張して思わず身を硬くする。
なんだこの距離感。今までこんなことをされたこと、一度もないのに。突然どうしたんだろう。
「か、和樹、さん……?」
ぎこちなく名前を呼んで後ろにいる彼を見上げると、和樹さんは落ち着いた様子で口を開く。