俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
 

「こうやって抱きしめられるのはイヤか?」
「イ、イヤではないです」
「じゃあ、朝と夜くらいならこうやって抱きしめてもいいか?」
「いい、ですけど……」

私の気持ちを確認するように、横から顔をのぞきこまれた。

今の自分の顔を見られたくない。きっと頬は真っ赤だし動揺しすぎて目はうるんでる。後ろから抱きしめられただけでこんなに取り乱してるなんて、絶対バカにされる。

なんとか腕の中から逃げようともがいたけれど、閉じ込めるようにぎゅっと腕に力をこめられさらに密着度がました。

背中に触れたたくましい胸板に、男の人に抱きしめられているということを実感して、一気に体温があがっていく。

「頭から湯気がでそうなくらい真っ赤だな」

私の横顔を観察してつぶやく和樹さんに、泣きそうになりながら反論する。

「だ、だって、こういうのはじめてなんですから、仕方ないじゃないですかっ!」

こっちは恋をしたことも、手をつないだこともないのに、いきなりハグなんて難易度が高すぎる!


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