俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「羽毛……?」
俺がつぶやくと、鈴花は眉を下げて視線をベッドへと向ける。
そこには大きく切り裂かれた羽毛布団があった。
どうやら羽毛布団を破ってしまい、中から大量の羽毛が吹き出しひとりでパニックになっていたらしい。
「すみません……。まちがってハサミが布団に突き刺さってしまって、慌てて手で塞ごうとしたらどんどん羽毛が吹き出してきて……」
肩を落として説明する鈴花は、全身羽毛まみれだ。彼女が少しうごくたびに、髪や洋服についた羽がふわふわと揺れる。
可憐な彼女にその白い羽はものすごく似合っていて、目の前にいるのは天使かな?なんて馬鹿げたことを考えてしまう。
どうしよう。羽毛まみれの彼女をこのまま力いっぱい抱きしめてなでまわしたい。
そんな欲望を表に出さないよう必死にこらえながら、紳士的な態度をとる。
「布団なんて買い替えればいい。それより怪我がなくてよかった」
「部屋をこんなにめちゃくちゃにしてしまったのに、怒らないんですか?」
あちこちにふわふわの羽毛をつけた鈴花が、涙目で俺を見上げた。
こんな可愛い顔で見つめられたら、怒れるわけがないだろう。