俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
とはいえ、床もベッドの上も見事に羽毛で真っ白になった部屋を見回して少し考え込む。
「そうだな。これでは今夜はこの寝室を使えそうにないから、今日はホテルに泊まるか」
「ホテル?」
「たまにはいいだろ? 今部屋をとる」
ぽかんとする鈴花の前でスマホを取り出しホテルに電話をかける。
仕事や会食でいつも使っているホテル。顔なじみの支配人とひとことふたこと話しただけで、すぐに部屋を確保できた。
それから次にマンションのコンシェルジュに電話をし、羽毛まみれの寝室のクリーニングと新しい羽毛布団の手配を頼む。
今日はゆっくりホテルで過ごし、明日帰って来たころには全て元通りになっているはずだ。
「これでなにも問題はない」
電話を切ってそう言うと、鈴花は事態についていけないようできょとんとした表情で目を瞬かせていた。