俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
いやでも、彼女とは契約結婚で愛はないと宣言しているのに、今更好きになってしまった、なんて言ったら身勝手すぎると軽蔑されるかもしれない。
せっかくふたりでの生活に慣れ始めて少しずつ距離が近づいてきたのに、ここで警戒されるようなことはしたくない。
そんなことをぐるぐる考えていると、彼女の小さな手が俺の肩にふれた。
俺が驚いていると、彼女が一歩こちらに近づきつま先立ちで背伸びをする。
近づいた顔に、これはキスをせがんでいるのか?なんて考えて一気に頭に血がのぼる。
細い腰に腕を伸ばし抱き寄せようとしたとき、彼女が背伸びをやめて微笑んだ。
「和樹さんの髪にもついてました」
そう言って俺の前に指先でつまんだ羽毛を見せる。
「ふたりで髪に羽をつけてホテルに入って来たなんて、なんだか恥ずかしいですね」
無邪気に笑う彼女の可愛らしさに、理性が音を立てて崩れたような気がした。
我慢できずに腕が勝手に彼女の腰を抱き寄せる。そしてそのまま背後にある大きなベッドに押倒した。
「きゃ!」
小さく悲鳴を上げた彼女を組み敷いて見下ろす。