俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


頭をなでていた手をゆっくりと下に移動して服の上から胸のふくらみにふれると、それまでじっとしていた鈴花が突然跳びあがった。

「きゃーーっ!! なにするんですかっ!」

そう叫ばれ、少し驚いて体を起こす。

ふたりきりでベッドの上でこの雰囲気で。なにをするかなんて決まってるだろう。
そう思っていると、鈴花は枕をこちらに投げつけてベッドから逃げ出した。

「い、いきなり胸に触るなんて、ルール違反ですっ!!」

毛を逆立て威嚇する野良猫みたいな表情で、距離をとって俺を睨む。

「ルール?」

ルールっていったいなんだと首をかしげた。

「こういうのはちゃんと、恋人同士がデートをしたり手を握ったりキスをしたり、段階を踏んで進まないと……っ!!」

真っ赤な顔でうったえる鈴花に、思わず俺は顔を覆った。

なんだその主張。いくらなんでも純粋すぎるしかわいすぎる。



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