俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「絶対こっちに入ってこないでくださいね! 指一本でもこちらにいれたら死刑ですから!」
俺に対する警戒心をむき出しにして、キングサイズのベッドの中央に枕やクッションでバリケードを作る鈴花。
「死刑か」
俺がそうつぶやくと、真剣な表情で「死刑です」とうなずく。
あんなことをしたあとだから、鈴花は俺と一緒のベッドで眠るのを当然拒否した。
俺がひとりでベッドを使い自分はソファで寝るという彼女に、鈴花がソファなら俺は床で寝ると主張すると、困って黙り込んでしまう。
そんなにいやならスイートがもう一部屋あいてないか確認する、と部屋に設置された電話を手に取ると、彼女は『これ以上無駄な出費はさせられません!』と慌てたように俺の腕にしがみついてきた。
自分のせいで俺にお金を支払わせるのが申し訳ないらしい。
君は俺の妻なんだから、遠慮することなくもっと贅沢してもいいのに。そう思うのと同時に、いじらしい彼女がかわいくてしかたがなくなる。
そんなやりとりをしばらく繰り返して、結局指一本触れないと約束するなら一緒のベッドで寝てもいいと鈴花が折れた。
そしてこのバリケードが設置されているというわけだ。