俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
予備の枕やソファに置いてあるクッションを全て使い、キングサイズのベッドの中央に高い壁が築かれた。
それを見て鈴花が満足そうにうなずく。
「絶対にこの壁を崩しちゃだめですからね!」
一生懸命睨んでいるんだろうが、毛をさかだてる子猫にしかみえない。威嚇さえかわいらしく見えるんだから、俺ももう重症だと思う。
ふたりでベッドに入り、照明を落とした。
暗闇の中、バリケードの向こうからかすかに聞こえてくる衣擦れの音。
すぐそこに鈴花がいるんだとういうことが伝わってきて、胸のあたりが苦しくなる。
好きな女とひとつのベッドで寝ているというのに、指一本触れられないという健全な夜をすごしながら、高い天井をぼんやりと見上げため息をついた。