俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
目を覚ますと、頬にふわふわした柔らかいものが触れた。
なんだろうと思いながら下を見ると、鈴花のさらさらの髪。そして温かいぬくもり。
瞬きをして、ベッドの上を見る。
昨夜寝る前に鈴花が築いたバリケードは、見る影もなく破壊されていた。ベッドの下にバリケードだったはずのまくらやクッションが散乱している。
そしてベッドの向こう端で寝ていたはずの鈴花が、いつのまにかこちらにきて俺の腕の中で寝ていた。
昨夜はあんなに警戒心むき出しだったのに、今は完全に心を許した様子でくぅくぅと無防備な寝息をたてている。
どうやら寝ているうちに彼女が寝返りでバリケードを崩し、こちらに来てしまったらしい。
驚いて思わず身を硬くすると、寝ている鈴花がぴくりと動いた。
起こしてしまったかな、と息をひそめ見守っていると、彼女は俺の背中に手をまわし胸のあたりに額をぐりぐりとこすりつけ、そのまままた眠りに落ちた。
そのかわいらしいしぐさに、叫びたくなる衝動を必死にこらえる。