俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
和樹さんはもてるだろうし経験豊富そうだから、服の上から触っただけでも私の胸が小さいのはわかっただろうな。
色気のない体だって、幻滅されなかったかな。
人目を引く外見に大企業の副社長をつとめる有能で完璧な和樹さんとは反対に、私は欠点だらけだ。
恋愛経験ゼロだし世間知らずだし、その上色気とは無縁の貧相な体つき。
コンプレックスだらけの自分がいやになる。
なんて思い悩みながら視線を上げて和樹さんを見ると、彼はぐるぐると表情を変える私を不思議そうにながめていた。
「俺と一緒に寝るのがそんなにいやか?」
そう問われ、答えに困っていると和樹さんはため息を吐き出す。
「わかった。じゃあ新しいベッドを買いそろえる」
「え!? わざわざ新しいものを買うんですか?」
頼んだ業者さんに事情を話して、もともとあったものを戻してもらえばいいのに。
そう訴えても、和樹さんは耳を貸そうともしない。
「前のものは俺が勝手に用意したものだから、鈴花が自分の好みの物を買えばいい」
「いやいや、そんなのお金の無駄ですよ」
それじゃなくても、私のせいで新しい羽毛布団に買い替えてスイートルームに宿泊して、たくさん無駄な出費をさせてしまったのに!