俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
私はおぼつかない足取りでリビングに戻ると、テーブルに保冷バッグとケーキの入った箱を置いて床にしゃがみこむ。
動揺が収まらなくてぼんやりしながら箱を開くと、フルーツをたくさん使ったかわいらしいケーキが六つも入っていた。
どれもとても綺麗でおいしそう。
もしかしたら、選びきれなかったのかな。
「……こんなにひとりじゃ食べられないよ」
ひとりじゃなく和樹さんがいたとしても、ひとり三つずつだ。
とてもじゃないけど多すぎる。
そうつぶやいて、はなをすすりながらちいさく笑う。
そして保冷バッグを開くと、中には綺麗に洗われたお弁当箱と一緒に一枚のメモが入っていた。
『弁当うれしかった。いつもありがとう』
そこに書かれたメッセージを見た途端、我慢しきれずに口を覆った。