俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


ぶっきらぼうな短い言葉。
男らしい筆跡。
飾り気のないシンプルなメモ。
どれも和樹さんらしくて愛おしさがこみあげる。


「どうしよう……」

小さくつぶやいた言葉は、涙声になっていた。

どうしよう。
私、和樹さんのことが好きだ。

愛のない契約結婚なんだから、好きになったって無駄なのに。

ずっと気づかないように本心から目をそらして、自分を誤魔化してきたけど、もうどうしようもないくらい、和樹さんのことが好きなんだ。


そう自覚した途端、とめどなく彼への愛情があふれ出す。
私はひとりリビングの床にしゃがみこみ、声を上げて泣いていた。




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