俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
好きな人は旦那様

 



「和樹さん、おかえりなさい……!」



翌日、香港出張から帰って来た和樹さんを玄関で出迎える。
いつも通りの表情で、と思っていたはずなのに緊張でわずかに声が裏返った。

「ただいま」

和樹さんは急な出張で疲れているんだろう。気だるげに息を吐きネクタイを緩める姿が男っぽくて、思わずドキドキしてしまう。

「あの、バッグお持ちします」

靴を脱ごうと体を屈めた和樹さんにそう言うと、ちらりとこちらを見て「いやいい」とかぶりを振った。

お役に立ちたいと思ったのに余計なお世話だったかなと肩を落とすと、和樹さんが「資料が沢山入っていて重いから」と付け加える。
疲れてるのに私に重いものを持たせない優しさに、きゅんと胸がうずく。

あぁもうどうしよう。
和樹さんを好きだと自覚したからか、言動のひとつひとつにいちいち胸がときめいてしまう。


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