俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「少ないよりはいいだろ」
「この前もたくさんスイーツを買ってきて、ひとりで食べるのは大変だったんですからね!」
「迷惑だったか?」
「め、迷惑ではないですけど……。最近いつもお土産を買ってきてくれるから、太ってしまいそうです」
手作りの弁当のお礼にと、穂積に頼んでケーキを渡してから、なんとなく鈴花の態度が変わった。
どことなく、前よりの視線や口調が柔らかくなった。
うぬぼれじゃなければ、少しずつ俺に好意をよせてくれているような気がする。
もしかしたら、そんなにケーキが嬉しかったのかなと思い、それからちょこちょこ手土産を持って帰るようになった。
俺がお土産を持って帰るといつも顔を輝かせて受け取ってくれるけれど、どうやら彼女は自分の体重が心配らしい。
そんなの気にする必要はないのに。
「鈴花はもう少し太ったほうがいい。今は細すぎて抱きしめたときに折れてしまいそうで心配になる」
「えっ! やっぱり和樹さんは、もっと豊満で女性らしい体形のほうがお好きですか……?」
俺の言葉に鈴花は胸のあたりを腕で隠して泣きそうな顔をする。