俺の新妻～御曹司の煽られる独占欲～

「いや、そのままの鈴花で十分かわいいけど、もう少し太った方が健康的だと思っただけだ」

そんなやりとりをしていると、正面から笑い声があがった。
ふたりで声のした方を振り返ると、楽しげに笑う鈴花のご両親。

「鈴花が結婚してうまくやってるか心配していたけど、ラブラブで安心したわ」
「ら、ラブラブって……！」

肩を揺らす母親に、鈴花の白い頬がみるみる赤くなっていく。
ひとしきり笑った後、鈴花の母親は姿勢を正しこちらを見た。

「和樹さん」とおもむろに名前を呼ばれ、俺も佇まいを正してうなずく。
「鈴花は昔から周りに気を使ってなかなか自分のワガママを言えない子だったんですよ。お人好しで遠慮ばかりして」

ちらりと隣にいる鈴花のことを伺うと、彼女は驚いた表情で母親を見ていた。