俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「この情報を全てデータ化して、従業員全員で共有できるようにするぞ」
「そんなことができるんですか?」
おどろいて目を丸くする鈴花に、当たり前だと小さく笑った。
「それから信頼できるいいコンサルティング会社を紹介する」
「でもコンサルティング会社にお願いするなんて、いったいいくらくらいお金がかかるのか見当もつきません」
「その資金をうちからの援助でまかなえばいい」
俺がそう言うと、鈴花はぱちぱちと目を瞬かせた。
「まさか資金援助の金をそのまま赤字の補填にするつもりだったのか?」
こくこくとうなずく鈴花に思わず苦笑いをした。
「なんの計画もなくただ援助を受けて赤字の補填をするんじゃ意味がない。入って来た金を、きちんと経営を改善させるために使わないと先はないだろ。これで効率化して利益率が上がれば、援助されなくても自力で利益をだせるようになる」
「そうすれば、日野屋はつぶれずに済みますか?」
「あぁ。俺にできることならなんでも協力するから、安心しろ」
俺がそう言うと、鈴花はほっとしたように胸をなでおろした。そしてまるで花が揺れるように微笑む。
その可憐さに、胸がぐっとつまった。