俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
契約結婚をした理由

 



目を覚ますと、堂々とした太い梁と木目の綺麗な船底天井が目に入った。
かすかに感じる畳の匂いと、窓にはめ込まれた障子越しにふりそそぐ柔らかな朝の光。


小さなころから慣れ親しんだ和室の空気に懐かしい気持ちになる。

そうだ、実家の旅館に泊まりにきていたんだった。
そう思いながら寝返りを打つと、すぐそこに和樹さんの寝顔があった。

精悍で整った顔立ちの和樹さんが、無防備に寝ている。
薄く開いた形のいい唇に勝手に視線が行って、頬が熱くなった。

昨日、和樹さんとキスをしてしまった。
それも、ただ触れるだけじゃない、もっともっと親密で大人なキス……。

昨夜の寝る前のことを思い出すと、頭が噴火してしまいそうなほど血がのぼる。

和樹さんに好きだと言ってしまった。
そして和樹さんも私を好きだと言ってくれた。
なんだか夢を見ているみたいだ。



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