俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

余裕たっぷりのその表情に、混乱した。

香港のゴシップサイトにのっていた画像の女性がどうしてここに。
それに、ここはセキュリティ万全の高級マンションなのに、この人はどうやってここまで来たの?

「噂には聞いていたけれど、ずいぶんかわいらしいお人形さんね」

私のことを値踏みするような視線を向けられ、怖気づきそうになる自分に渇を入れ背筋を伸ばす。

「エントランスにもこの扉にも鍵がかかっていたはずですが、どうやって入って来られたんですか」
「そりゃあ、あなたみたいなおりこうさんには理解できないかもしれないけれど、世の中手段を選ばなければなんでもできるようになっているのよ」

挑戦的に微笑んで、私のことを見下ろす。

私を和樹さんの妻だと知ってここにやってきた。
しかも、たぶん和樹さんが不在だということは承知のうえで。

友好的な理由でここに来たんじゃないことは、その視線からも伝わってきた。

「そんなの不法侵入だろ。姉ちゃん、相手にする必要ない。今警察に通報するから」

スマホを握った隼人に、彼女は動じることなく笑う。



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