俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「やぁね。勝手にことを荒立てないで。私はただカズキの妻と話をしたいだけよ」
そう言って玄関に立つ私の手を掴むと、ぐいと容赦なく引き寄せた。
「きゃ……!」
「ちょ、なにしてんだよ!」
隼人が止めようとすると、外で待機していたと思われるスーツ姿の男性が、隼人の前に立ちふさがった。
「邪魔者がうるさいから、ふたりでゆっくり話せる場所に移動しましょう。大丈夫よ、この可愛らしいお人形さんに傷をつけたりしないから安心して」
靴を履く暇もなく、外へと連れだされる。
「ふざけんなっ! 待て……!!」
隼人の怒鳴り声を聞きながら、私はなすすべもなく彼女に連れ去られてしまった。