俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
急いでマンションに戻り、隼人くんと合流する。
彼から話を聞きながら、コンシェルジュに頼んで防犯カメラの映像を見せてもらい、鈴花が車に乗せられるシーンを再生した。
車の車種とナンバーから李グループの関連企業が所有している車だと見当をつけて連絡すると、確かに美蘭から頼まれ運転手と一緒に車両を貸し出していると確認がとれた。
「運転手は日本企業の社員だ。そっちから圧力をかければ場所は鈴花の今いる場所は割り出せる」
そう言って穂積に目配せをすると、彼はすぐに頷いてスマホを耳にあてた。
「ていうか、どういうことか説明しろよ」
そのやりとりを見守っていた隼人くんが、カタカタとせわしなく膝をゆらしながらこちらを睨む。
「なんで姉ちゃんがあんたの浮気相手に誘拐されなきゃいけなんだ」
「浮気相手じゃない」
「誤魔化すなよ。知ってんだよ、姉ちゃんに仕事だって嘘をついて香港まであの女に会いに行ったって」
否定した俺に向かって、スマホの画面を突きつける。
そこには先日香港に行った時に盗み撮りされたらしい俺と美蘭の画像があった。