俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


「不倫の隠れ蓑よりは百倍マシだけど、姉ちゃんが利用されたのはやっぱりむかつく」

その率直な彼の言葉が心に刺さる。

ほんの少し前まで、お互いの利益のために契約結婚をすることになんの疑問も抱かなかった。
彼女の気持ちも考えず、自分の都合で振り回していた傲慢な自分に嫌悪感が湧き上がる。

しかも、そのせいで彼女が美蘭に攫われた。
苛立ちに奥歯を噛みしめると、隼人くんがうつむきながらつぶやく。

「もし姉ちゃんになにかあったら、絶対にあんたを許さないからな」
「わかってる。どんなことをしても、絶対に鈴花を探し出す」

俺は誓ったんだ。
必ず彼女を幸せにすると。
彼女の両親にも、そして自分の心にも。

そのとき穂積がスマホから耳を離し、こちらを向いた。

「鈴花さんを乗せた車がどこへ向かったか、わかりました!」

そして穂積が口にしたのは、意外な場所だった。




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