俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
私たちの帰る場所

 



午後の日差しの中に、半透明の湯気がふわりと立ち上って消える。

「いいお湯ね。気持ちがいいわ」

そう言って、お湯の中でご機嫌に手足を伸ばすのは、私を連れ去った張本人、李美蘭だ。

「私、一度日本の温泉に入ってみたかったのよ」

鼻歌を歌う美蘭の横に並んだ私は、「楽しんでもらえてよかったです」と微笑んで露天風呂の前に広がる庭を眺める。

私と美蘭は、実家の旅館の露天風呂でのんびり温泉につかっていた。



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