俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
国内有数の建設会社、大宮建設。
その創業者である祖父は現在会長を務め、父が社長。
そして副社長をつとめているのが俺、大宮和樹だ。
そして実家に顔を出すようにと秘書を通して連絡してきたのは、創業者の妻で俺の祖母だ。
祖父が一代で大宮建設を大きくできた陰には、裏で必死に支え奔走した祖母の存在がある。
決して表に出ることのない彼女の功労は、父も俺もしっかりと理解しているから、少しマイペースで時々ワガママな彼女の願いを無視することができないのだ。
そんな祖母から俺だけ呼び出されるなんて、いったいなんの用だろう。
イヤな予感を抱えながらも仕事を終えてから実家に向かい、渋々リビングへ足を踏み入れる。
ソファに座るのは、今年喜寿を迎えたとは思えないほど凛として若々しい姿の祖母だ。
「和樹さん。いいお話があります」
俺の顔を見た途端、待ち構えていた祖母が満面の笑みでそう言った。