俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
長い指に手をかさね、込み上げる幸せを噛みしめながら微笑む。
「和樹さんを、信じていましたから」
不安がなかったと言えば嘘になるけれど、和樹さんの妻として恥ずかしくない自分でいたい。その思いが背中を支えていてくれた気がする。
和樹さんは柔らかく微笑み、私の頬を包んでいた手を後頭部に移動させた。
そして上を向かされると、優しいキスが降ってくる。
焦らすように唇をこすり合わされ、たまらず小さく開くと舌が入り込んできた。
和樹さんにキスをされると、体の輪郭が曖昧になっていく気がする。
優しく甘やかされて温められて、とろりと溶けた甘いチョコレートになってしまったみたいに自由が利かなくなる。
膝に力が入らなくなると、私の体が崩れる寸前で長い腕が腰に回り抱き寄せられる。
「キスだけでこんなに余裕がなくて、大丈夫か?」
笑いをこらえながら意地悪なことを言う和樹さんに、私は唇を尖らせて反論した。