俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「和樹さんのキスが気持ちよすぎるせいですよ」

そう言うと和樹さんは一瞬言葉につまる。
そして私の視線から逃げるように横を向き、手を口で覆ってしまう。

「こんなに慣れてるなんて、和樹さんはきっと今までたくさんの女の人とキスをしてきたんですよね」

そう思うとなんだかおもしろくなくて、そんなかわいくない言葉が口から出た。
和樹さんは口元を隠していた手を下ろし、まっすぐにこちらを見て問いかける。

「嫉妬してるのか?」
「してます。ものすごく」

素直にうなずくと、和樹さんはたまらないという表情で小さく息を吐いた。

「恋愛経験がないとは言えないが、本気で人を好きになったのも、心からしたいと思ってキスをするのも、鈴花が初めてだ」
「本当に?」

上目づかいでたずねると、こつんと額を合わせて微笑まれた。

「好きすぎて、自分をコントロールする自信がない。大切にしたいのに、暴走して鈴花を乱暴に抱いてしまいそうだ」

いつもは冷静で大人な彼が、私のことで余裕をなくしてる。
そのことが嬉しくて、腕をのばし和樹さんの肩に抱き着いた。


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