俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
それでも涼しい顔をしていると、祖母はゆっくりと視線を落とし写真の中の少女をみつめた。
「……なぜか大宮家は昔から男系で、子供も孫もやたらにたくましい男ばかり生まれて。愛らしい孫を愛でて甘やかして可愛がりたいという私のささやかな願いはどうやったって叶わないのかしら」
祖母は写真を見下ろしながら目元を押さえる。
どうやら今度は泣き落とし作戦らしい。
「この子が和樹さんのお嫁さんになったら、お買い物に行って可愛いお洋服をたくさん買ってあげたり一緒にランチしたり旅行に行ったり、とことん甘やかして可愛がってあげられるのに……」
目じりをハンカチで押さえる祖母を、冷たい視線で眺める。
そんなくだらないほど個人的な願望をかなえるための道具になる気はさらさらない。
祖母は表情ひとつ変えない俺をちらりとうかがうと、泣き落としをあきらめたのかぴんと背筋を伸ばす。