俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


もともと恋愛にも結婚にも興味がなかったうえに、ここ数年は海外事業拡大のために東アジアを拠点に仕事をしてきた。

半年前に日本に戻り、大宮建設の副社長に就任したばかりのこの重要な時期に、女にさく時間なんてあるわけがない。

俺が心の中で言い訳しながら目をそらすと、祖母は勝ち誇ったように微笑む。

「ちょうど来月に大宮建設の創立五十周年のパーティーが開かれます。そこであなたの結婚を発表すればいいわ」
「いくらなんでも急すぎでは」
「急すぎることなんてありませんよ。和樹さんが結婚すれば〝あのこと〟も丸く収まるでしょう? 結婚は早ければ早い方がいいに決まってます」
「それは……。確かにそうですが」

ダメ押しのように付け足され、俺は反論をあきらめため息をついた。
確かに俺が結婚すれば、あの厄介な問題も事を荒立てることなく穏便に済ませることができる。


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