俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

彼のあまりに失礼な態度に私が絶句していると、「なんだよお前!」と私の背後から誰かが怒鳴った。

「さっきから黙って聞いてれば、失礼なことばっかり言って。人を馬鹿にしてんのかよ!」

聞き覚えのある声におどろいて振り向くと、そこには怒りの表情を浮かべる弟の隼人がいた。

「隼人、どうしてここに……?」

驚いて目を見開く私に、隼人は怒った表情のままぶっきらぼうに言う。

「今日ひとりで顔合わせのために東京までくるって聞いたから、心配でじっとしていられなくて」
「隼人……」

わざわざ顔合わせの会場を両親から聞き出して様子を見に来てくれたんだろう。
私のことを心配してくれる優しい弟に、胸があたたかくなった。

思わず顔をほころばせた私を見て、和樹さんは軽蔑するように低い声でつぶやく。

「顔合わせの場に、男連れできたのか」
「え?」

意味が分からなくて瞬きをすると、和樹さんは私と隼人のことをぞっとするくらい冷ややかな目で見ていた。



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