俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「まぁ、お互いの利害のための結婚に恋愛感情は必要ないのだから、男がいても別にかまわないが」

さっきから、彼の言っていることがよくわからなくて混乱したまま首をかしげる。

「ただ、大宮家の結婚相手が金のためならだれとでも寝る尻の軽い女だなんて噂をたてられては迷惑だ。男と遊ぶなら人目につかないようにわきまえてくれ」
「……は?」

予想もしない言葉に驚いて、頭が真っ白になった。

誰とでも寝る尻の軽い女って。
何を勘違いしているのか知らないけど、私は男の人と手を握ったこともないのに……!

「再来週のパーティーで結婚を発表して、お前は俺の妻になる。夫婦になったとしてもお前を抱く気も愛する気もないから恋人をつくるのはかまわないが、大宮家の嫁としての自覚を持つように。いいな?」

和樹さんは呆然とする私にむかって一方的にそう言うと、踵を返して歩き出す。

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