俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


興味がないって……。
偽りとはいえこれから結婚生活を送る相手に向かってその偉そうな言い方!

彼の失礼な態度に、一気に頭に血が上る。

「興味がないなら、どうして私と結婚するんですか?」

気が付けば勝手に口が動き、きつい口調で彼を問い詰めていた。

「どうしてとは?」
「大宮建設の御曹司なら、いくらでも結婚したいという女性はいますよね? 私がお気に召さないのなら、あなたに好意をよせるほかの女性を妻にすればいいじゃないですか」
「政略結婚に恋愛感情は必要ない。子供を作りたいとも、誰かを愛したいとも思わない。無駄に俺に好意を寄せて言い寄ってくる女よりも、お前のように俺を嫌っている女を妻にしたほうが面倒がなくて都合がいいだろ」

……この人は本当に、結婚になんの夢も希望も抱いていないんだ。

その冷たい言葉に、頭から冷水を浴びせられたような気がした。


< 51 / 247 >

この作品をシェア

pagetop