俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

さっきまでは大嫌いだと思っていたのにわずかに親近感を覚えてしまう私は、単純すぎるだろうか。

するとそのとき、スマホが震え出した。取り出して画面を見れば弟の隼人からの着信。

挨拶もひと通り済んだみたいだし、和樹さんは仕事の話をしているようだし、少しくらいいいかな。
そう思いながら、そっとバンケットルームから抜け出した。

ひと気のない廊下に出て震えるスマホを耳にあてる。

「もしもし」
『姉ちゃん? 今結婚発表のパーティーなんだろ? 大丈夫? なんか失礼なことをされたり、いじめられたりしてないか?』

電話に出た途端質問攻めにあい、圧倒されながらも答える。

「和樹さんは相変わらずイヤな感じだけど、でも大丈夫だよ」
『無理してない? 知らないやつばっかりの中に連れてこられて不安だろ。俺助けに行こうか?』
「そんな心配しなくてもいいから」

相変わらず心配性な弟に、思わず苦笑いしながら首を横に振った。

それにまた隼人が乗り込んで来たら、絶対に顔合わせのとき以上に面倒なことになるに決まってる。



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