俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
『……今日からあいつと暮らすんだろ?』
「うん。その予定」
このパーティーが終わったら、和樹さんの暮らすマンションに行って一緒に暮らし始める予定だ。私の荷物はもう実家から送ってある。
『姉ちゃん本当にいいの? 姉ちゃんは小さい頃からおやじとおふくろの言うことを聞いてお利口に生きてきて、そんなくだらねぇ人生を送って後悔しない?』
「くだらないって……」
『ずっと実家を出て自立したいって言ってたのに、結局親の言いなりになって愛のない結婚するなんて、くだらねぇだろ』
隼人の容赦ない言葉に私は唇を噛んで顔をしかめる。
『それに男と付き合ったこともない姉ちゃんが、好きでもないやつと結婚して大丈夫なのか? 夫婦になるって、一緒に暮らすだけじゃないんだぞ。その覚悟ちゃんとあんの?』
「覚悟って……?」
なんのことだろうと目を瞬かせると、隼人の声が一層低くなる。
『もしかして、もうあいつに手を出された?』
「手を?」
隼人の言葉を心の中で繰り返して、一気に頭に血が上る。ぼっと音をたてて頬から火がふき出しそうだ。