俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


不機嫌なその表情に、私が無断でパーティーを抜けたことを怒っているのかなと察する。

「隼人、まだパーティーの途中だから電話切るね」

早口にそう言って電話を終えると、和樹さんはスマホを持つ私の手首をつかみ、憎々し気にその画面を睨む。

「……あの男と電話をしていたのか」

低い声でそう言われ、体の奥がぞくりと震えた。

「すみません。無断でパーティーを抜けて」

私が謝ると、和樹さんは険しい表情のまま掴んでいた手を放して冷ややかな視線を向ける。

「こんなときでも連絡せずにはいられないくらい、あの男が好きなのか」

そう言った和樹さんの表情に、わずかに嫉妬が含まれているような気がして、思わず目を瞬かせた。

「そういうわけじゃなくて、隼人は……」

隼人は恋人ではなく弟だと説明しようとしたのに、和樹さんはすぐに私に背を向けてしまう。

「言い訳はいらない。聞きたくもない」

そうやって説明さえ拒絶されてしまったら、私はなにも言えなくなる。



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