俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
 

「こんな高級高層マンションに来て眺めや広さじゃなく、フローリングやドアに感激するなんて、可愛すぎますね」
「……穂積」

そう言った穂積さんを、和樹さんがすかさず睨む。

「手を出したりしないので、いちいち嫉妬して威嚇しないでください」
「だから、嫉妬なんかしていない」

そんなふたりのやりとりに首を傾げていると、和樹さんが私に向かってあごをしゃくった。

「ついてこい」

そう言われ廊下に出た彼のあとをついていくと、玄関の近くにあるドアの前にたどり着いた。

「わぁ……!」

そこにあったのは、ナチュラルな色合いのインテリアが置かれた明るい部屋だった。
白いカーテンに、白木が美しいテーブルや棚。
もふもふの大きなラグは寝ころんだら気持ちがよさそうだし、真っ白なカバーがかけられたベッドの上には可愛らしい色合いのクッションがいくつも並んでる。
そして窓辺には緑の蔦が綺麗な小さな鉢が置いてあった。

とても居心地のよさそうな部屋だ。

「もしかして、ここが私の部屋ですか?」

和樹さんの顔を見上げて問うと、彼が「そうだ」とうなずく。

「時間がなかったからこちらで勝手に用意したが、もし気に入らなかったらベッドもインテリアも買い替えて……」
「ものすごく気に入りました!」

彼の言葉を食い気味に遮って顔を輝かせる。



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