俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
なんだろうと首を傾げながら受け取ると、私名義のクレジットカードだった。
「鈴花名義のカードを作っておいた。必要なものがあればこれで買うといい」
事務的にそう言われ、少し拍子抜けしながら「はい」とうなずいてカードを見下ろす。
生活費はこれで払え、ということだろうか。
「なにかわからないことや困ったことがあれば穂積に聞いてくれ」
そう言って、和樹さんは廊下に立つ秘書の穂積さんをみやる。
「あ、あの。和樹さんはアレルギーや嫌いな食べ物はありますか?」
私がたずねると、和樹さんはなぜそんなことを聞くのか理解できない、というような視線をこちらに向けた。
「どうしてそんなことを聞く」
「え? だってお食事を作るのに、アレルギーがあるかないかわからないと困るので……」
私はそう説明しながら和樹さんがそんな怪訝な顔をする理由が分からず首をかしげる。