俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
 

「本来なら、秘書の私ではなく和樹からお願いするべきものですが」

申し訳なさそうな穂積さんに、私は首をふってペンを持つ。

「いえ、大丈夫です」


感動もときめきもない、事務的な作業。
愛のない契約結婚にはふさわしい。


そうは思いつつ、ペンを持つ手がわずかに震えた。

これを提出すれば、私は大宮鈴花になる。
あの人の、妻になるんだ。





 


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