俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
俺の迫力に気圧されて、鈴花が青ざめ華奢な肩がびくりと跳ねる。
「俺の留守の間に恋人を家に上げたのか。俺と暮らすこの部屋で、あの男とふたりで一体なにをしてたんだ」
契約結婚で、恋人がいても構わないと言ったのは自分のはずなのに、この部屋に違う男をつれこんでいたと知った途端、裏切られた気分になる。
腹の奥から怒りがこみあげて、力任せに鈴花の腕を掴んで問いただした。
「ちが……っ!」
目を見開いて首を横に振る彼女に、「なにが違うんだ」と怒鳴る。
この白い頬に、小さな唇に、綺麗な髪に、あの男が触れていたのかと思うとたまらない気持ちになる。
「和樹さん、隼人は……」
大きな瞳に涙をためてそう言う彼女の口をふさぎたくなる。
この口から違う男の名前が出るのが許せない。
なぜそんなことでこんなに感情的になっているのか自分でも理解できずにいると、後ろからなにかが飛んできて俺の頭にぶつかった。