ワタシの秘密(黒王子VS地味子)
そんな顔させたくない、、、。

廉Side

「心寧!!!!!!」




倒れていく心寧を見ながら俺は叫んだ。




「おい、心寧。」




随分と息が苦しいのか息ができなさそう。




「おい!救急車!!!!」




全員が思わぬ事態にあたふたしている。




しっかりしろよ、スタッフ。




俺は心の中でため息をついた。




「監督、俺連れて帰ります。もう終わりでいいですか?」




「もちろんだよ!!これからのことはまた連絡する。頼んだよ、廉くん!」




「任せてください。」




俺は監督に一礼すると車に向かって歩き出した。




「おい。廉。」




「紫貴車出せ。心寧が倒れた。」




「ああ。」




俺は車の後ろの席に乗り込んだ。




「心寧、大丈夫か。」




返事はなしか。




心寧を見る限りそうとう苦しいんだろうな。




「だから無理すんなよって言ったのに。」




「ああ?」




紫貴の言葉に俺は聞き直した。




「紫貴、気づいてたのかよ。」




「ああ。送ったときにな。一瞬でわかった。俺を誰だと思ってんだよ、あいつは。」




ちらっと心寧を見て紫貴はそうつぶやいた。




「俺にも無理して笑いやがって。」





紫貴は心寧が自分に言わなかったことが相当悔しいらしい。




「まあ、そういうやつなんだけどな、心寧は。」




紫貴はそう言って苦笑した。




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