ワタシの秘密(黒王子VS地味子)

玲side

「涼も正も龍雅も、もちろん俺も堂も後悔してる。心寧のことを守ってやれなかったからな。だけどそれ以上にあいつら3人は一番大切な心寧を守ってやれなかった悔しさが大きかったんだ。それと同時に心寧を失いそうになる恐怖をもってる。」




あの時は大変だったな。




心寧が起きるまで3人とも一切しゃべんなくて人形になってたからな。




心寧好きのあのバカ涼と正だけじゃなく龍雅までもがそうなってることには驚いた。




仕事こそやっていたもののいつも無表情で片っ端から全員つぶすくらい荒れていた。




心寧がこんなことになったのは自分たちのせいだと言ってでもどうしようもできなくてとりあえず暴れてた。




だからこそ心寧が起きた時あの3人に笑顔が戻って安心した。




「心寧はあの3人のあの顔が嫌いなんだ。自分のせいでこんな顔させてるって責めてる。まあ、もっともあの三人はそんなことわかってないけどな。」




ふと俺が廉を見ると廉は複雑な顔で俺を見ていた。




まあそれもそうか。




こんな話聞いて普通でいろっていう方が無理か。




「廉、お前心寧のこと好きなんだろ?」




前までは女に対して作り笑顔を振りまくやつだったからな。




心寧のことでころころ表情を変える廉はだいぶん人間らしくなったと思う。




こいつもいろいろあったからな。




俺は心寧の頭を撫でると立ちあがった。




「俺はあいつらに話をしてくる。心寧を頼んだ。」




「はい。」




ほんとは俺が心寧のそばにいたほうが確実に安全だと思うがそれでも俺は廉に任せた。




廉なら心寧を変えられるんじゃないかって。




心寧は俺らには見せないけどなにかで絶対苦しんでる。




だからこそ廉になら心を許すんじゃないかって。




心寧は確実に廉のことが好きみたいだからな。









< 251 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop